なぜベテラン教師ほど、子どもの心を掴めなくなるのか?現場で発見した、本当に効果のある価値付けの方法
なぜベテラン教師ほど、 子どもの心を掴めなくなるのか?
経験10年、20年の先生が 新任教師に嫉妬する現実を 見たことがありませんか?
「あの先生のクラスだけ、 なんであんなに子どもたちが輝いてるの?」
ベテランが新人に負ける。 この逆転現象の正体とは?
職員会議で、こんな光景を 目にしたことはないでしょうか。
経験豊富な先生が 「最近の子どもは言うことを聞かない」 「昔はこんなじゃなかった」と 愚痴をこぼしている。
一方で、経験の浅い若い先生のクラスでは 子どもたちが目を輝かせて 先生の話を聞いている。
なぜこんなことが起こるのでしょうか?
答えは、経験による「固定観念の罠」です。
「子どもは褒めれば伸びる」
「厳しくすれば言うことを聞く」
「経験があれば何とかなる」
これらの常識こそが、 子どもの心を遠ざけている元凶なんですね。
特に、多くのベテラン教師が 陥ってしまう落とし穴と言えます。
それは「褒め方の固定化」です。
「いい子だね」
「すごいね」
「がんばったね」
これらの言葉を何千回と使ううちに、 子どもの心に届かなくなっていることに気づかなくなってしまう。
一方、現場で本当に効果を上げている教師は、全く違うアプローチを使っています。
経験ではなく具体的な方法。
勘ではなくシステマチックな工夫。
これが現場の真実です。
私が現場で見つけた、子どもの心に届く方法
私自身も、長い間この「固定観念の罠」に ハマっていました。
「褒めているのに、なぜ響かないんだろう?」
「経験を積めば、きっとうまくいくはず...」
そんな思いで、毎日試行錯誤を繰り返していました。
でも、ある日気づいたんですね。
子どもが本当に求めているのは 「評価」ではなく、
「自分の行動の意味を理解すること」。
これが全ての始まりです。
そこから、私は現場で 一つの方法を編み出しました。
それが「写真を使った価値付けの方法」です。
最初は偶然でした。
やんちゃなケンタが 珍しく廊下のゴミを拾っているのを見つけて、
「あ、まって!そのまま、そのまま!」
そう声をかけて、スマホで写真を撮ったんです。
ケンタは最初 「え?何で写真撮るの?」 という顔をしていました。
でも、その後の帰りの会で その写真を使って話をした時、
クラス全体の雰囲気が 一気に変わりました。
子どもたちの目が輝き始めました。
ケンタ自身も 「俺、すげーことしたんだ...」 という表情になりました。
そして何より、 他の子たちも 「私も写真撮ってもらいたい」 という気持ちになったんです。
それから、この方法を さらに工夫して発展させていきました。
今では、やんちゃな子も おとなしい子も、 例外なく自己肯定感が上がる 確実な方法として確立しています。
具体的な方法をお話しします
では、その具体的な方法を 包み隠さずお伝えしますね。
①良い行動を見つけた瞬間の対応
子どもの価値ある行動を見つけたら、 まずはその場で声をかけます。
「あ、まって!そのまま、そのまま!」
この時のポイントは、 子どもを止めることです。
動作を止めて、 その「良い瞬間」を 固定するんですね。
ケンタがゴミを拾っている瞬間、 ユウキが友達を助けている瞬間、 ハルトが静かに本を読んでいる瞬間。
その瞬間を「特別な瞬間」として 認識させることから始まります。
②写真撮影とその場での価値付け
そして、その瞬間を写真に撮ります。
「素晴らしい場面だから、 写真に撮らせてもらうね」
この時、子どもは 「え?何で?」という顔をします。
でも、これが重要なんです。
「何で写真を撮られるんだろう?」 という疑問が、 子どもの心に「特別感」を植え付けましょう。
そして、その場で簡単に 価値付けをします。
「ケンタ、ありがとう。 君がゴミを拾ってくれたおかげで、 みんなが気持ちよく過ごせるね」
ここでは詳しく説明しません。 帰りの会で詳しく話すことを 予告するだけですね。
③帰りの会での段階的提示
そして、帰りの会。 ここからが本番です。
まず、子どもたちに こんな風に話しかけます。
「今日、とっても嬉しいことがあったんだけど...」
少し神妙な感じで話します。 子どもたちの注意を引くためですね。
「何だと思う?」
クイズ形式にして、 子どもたちの興味を引きます。
「ヒントは、『とっても素敵なこと』」
ここで、「誰かが何かしらの 素敵すぎることをした」という レベルまでヒントを出します。
子どもたちのワクワク感が 最高潮に達するでしょう。
④写真の段階的公開
「素晴らしすぎて写真を撮ったので、 見せますね」
大型モニターに写真を映します。
でも、最初は「頭だけ」とか 「腕だけ」を拡大して見せることがポイント。
「誰だと思う?」
再びクイズ形式。 子どもたちは大盛り上がりです。
次に、画角を広げて 良いことをしている場面そのものを 提示するんですね。
例えば、ケンタがゴミを拾っている 全体像を見せるんです。
この瞬間、クラス全体から 「おお〜!」という声が上がるでしょう。
⑤価値観の共有と浸透
そして、ここからが最も重要な部分です。
「これ、どう思う?」 「なんで素晴らしいと思う?」
子どもたちに問いかけます。
すると、子どもたちから 「みんなが気持ちよく過ごせるから」 「学校がきれいになるから」 「優しい気持ちになるから」
といった答えが出てくるでしょう。
これこそが、価値観の浸透なんです。
私が一方的に 「ゴミ拾いは良いことです」と 説明するのではなく、
子どもたち自身に その価値を発見させ、 言語化させるんですね。
⑥個人の承認と全体への拡散
最後に、行動した子を みんなで称賛します。
「みんなのために素晴らしい行動を してくれたケンタくんに、拍手!」
クラス全体からの拍手。
この瞬間、ケンタの表情が 輝きます。
そして、他の子たちも 「私も、僕も、そんな風に 認められたい」という 気持ちになってくるんです。
この方法の驚くべき効果
この方法を続けていると、 教室に劇的な変化が起こります。
①子どもたちが良い行動を探すようになる
「先生、写真撮って!」
子どもたちが自分から 良い行動をアピールするように なります。
でも、これは決して 「承認欲求」ではありません。
「クラスのために何かしたい」 という本質的な動機なんです。
ユウキが困っている友達を助けた時、 「先生、写真撮ってもらえる?」と 言ってきました。
ハルトが静かに掃除をしている時、 「これも写真撮って」と お願いしてきました。
②やんちゃな子ほど変化が大きい
特に、やんちゃだった子ほど 大きな変化を見せます。
ケンタは、写真を撮られてから 明らかに行動が変わりました。
授業中に立ち歩くことが減り、 友達に優しく接するようになり、 自分から掃除を手伝うようになりました。
「俺、クラスの役に立ってるんだ」
そんな実感が、 ケンタの行動を根本から 変えていったんですね。
③クラス全体の価値観が統一される
何より素晴らしいのは、 クラス全体の価値観が 自然に統一されることです。
「みんなが気持ちよく過ごす」 「困っている人を助ける」 「クラスをきれいに保つ」
こうした価値観が、 私が押し付けるのではなく、 子どもたち自身の中から 生まれてくるんです。
でも、実はもっと深い工夫がある
ここまでお話しした方法でも 十分効果はあります。
でも、実は私はさらに 細かい工夫を重ねています。
写真の撮り方一つとっても、 子どもの心理に与える影響を 考慮した技術があります。
帰りの会での話し方も、 子どもたちの反応を見ながら 微調整していく技術があります。
どの子にどのタイミングで 声をかけるのか。
写真をどの角度から撮るのか。
どんな順序で子どもたちに 問いかけをするのか。
一つひとつに、 現場で磨いた工夫があるんです。
でも、それらの詳細は それぞれの教室の状況によって 変えていく必要があります。
やんちゃな子が多いクラス、 おとなしい子が多いクラス、 学年による違い、 地域による違い...
すべてを考慮した上で、 最適なアプローチを 選択していく必要があるんです。
あなたのクラスに最適な方法を見つけませんか?
この写真を使った価値付けの方法、 基本的な流れはお伝えしました。
でも、実際にあなたのクラスで 実践するとなると、 もっと具体的な調整が必要になります。
例えば、やんちゃなケンタのような子が クラスにいる場合と、 全体的におとなしいクラスでは、 アプローチを変える必要があります。
写真を撮るタイミング、 帰りの会での話し方、 子どもたちへの問いかけ方...
すべてを、そのクラスの特性に 合わせて調整していくんですね。
また、この方法を続けていくうちに 出てくる新たな課題もあります。
「写真を撮られたがる子」が 増えすぎた場合の対処法。
「なかなか良い行動が見つからない子」への アプローチ方法。
保護者への説明の仕方...
こうした実践上の課題についても、 現場で培った解決策があります。
あなたの具体的な状況を お聞かせいただければ、 最適な方法を一緒に 考えていきたいと思います。
教室はそれぞれ違います。 子どもたちも一人ひとり違います。
だからこそ、その教室に 最適化された方法を 見つけていく必要があるんですね。
PS.
実は、この写真を使った方法を 思いついたきっかけは、 完全に偶然でした。
当時の私は、ケンタの問題行動に 本当に頭を抱えていました。
毎日のように叱っては後悔し、 褒めても効果が感じられず、 「どうすればいいんだろう...」と 悩み続けていました。
そんなある日の放課後、 疲れ果てて教室で一人 ため息をついていた時、
ケンタが一人で 廊下のゴミを拾っているのを 発見したんです。
「あれ?ケンタが...?」
驚いた私は、とっさに 「あ、まって!そのまま!」と 声をかけていました。
そして、なぜかスマホを取り出して 写真を撮っていたんですね。
自分でも、なぜそんなことをしたのか よくわかりませんでした。
でも、その写真を帰りの会で 子どもたちに見せた時の反応は 今でも忘れられません。
いつもザワザワしている教室が 一瞬で静まり返りました。
そして、子どもたちの目が 一斉にケンタに向かいました。
ケンタ自身も、最初は 恥ずかしそうにしていましたが、 だんだん誇らしげな表情になっていきました。
「これだ...これが答えだ...」
その時、確信しました。
子どもたちが求めているのは 「評価」ではなく、 「承認」なんだと。
しかも、ただの承認ではなく、 「クラス全体での承認」なんだと。
それから、この方法を さらに工夫して発展させました。
写真の撮り方、 見せ方、 話の持っていき方...
すべてを試行錯誤しながら 今の形にしてきました。
今では、どんなにやんちゃな子でも、 どんなにおとなしい子でも、 例外なく効果のある方法として 確立しています。
でも、まだまだ改良の余地があると 思っています。
あなたのクラスで実践してみて、 新たな発見があったら ぜひ教えてください。
一緒に、子どもたちの心に 本当に届く方法を 見つけていきましょう。