クラスの子どもの嫌味に感情的になってしまう先生へ。教師が子どもに『負けない』たった一つの方法
「え、先生なのに間違ってるー!」
「なんで俺ばっかり注意するんですか?」
「先生の話、ツマンネ…」
授業中に突然立ち上がり、友達の消しゴムを勝手に取って投げる。
注意すると「だって○○くんもやってたじゃん!」と言い返され、 クラス全体がザワザワし始める。
他の子たちは困惑した表情でこちらを見ている。
「先生、また始まった...」という空気が教室に漂う。
そして放課後、職員室で先輩教師から
「○組、今日も賑やかでしたね」と言われ、
胸がキュッと縮む。
クラスの子どもの嫌味や挑発に、
カッとなってしまった経験はありませんか?
多くの先生が「子どもに負けてはいけない」と思っています。
でも実は、教師が子どもに負けない方法は一つしかありません。
それは『戦わないこと』。
「え?それじゃあクラスがめちゃくちゃになるのでは...」
そう思ったあなたにこそ、今日お伝えしたいことがあります。
【この記事を読むと分かること】
この記事を読むと、以下のことが分かります:
✅なぜ「戦わない」教師の方が主導権を握れるのか
✅感情的になる前に相手の心理を読む方法
✅子どもの挑発に動じない3つのステップ
※「戦わずに勝つ」手法は、実は教室では実在します。「勝ち」の定義を見直すことから全ては始まります。以下に、「知るだけで5秒後には即実践できる」形で書いてます。自信作です。
多くの教師が陥る「感情的対応の罠」
リュウヤくんのような子の嫌味や挑発に、つい感情的になってしまう。
これ、実は相手の思うツボなんです。
なぜなら、彼らの本当の要求は
「先生、俺にかまってくれよ」だから。
感情的になった瞬間、主導権を失う仕組み
担任がカッとして言い返した瞬間、 教室の「主導権」は
担任からクラス児童に移ります。
すると教室は一気に「弱肉強食の世界」に変化。
空気に敏感な子たちは、この変化を敏感に察知するんですね。
「戦わない」の真の意味
戦わないとは「放置する」ことではありません。
相手の挑発に乗らず、戦略的に対応すること。
主導権を握り続けながら、
子どもの本当の要求に応えてあげる。
これが本当の「負けない」教師の姿勢といえます。
若手時代によく陥りがちな失敗パターン
私がまだ経験年数4年めほどだった頃、
以下のような思いに囚われていました。
「きちんと指導しなきゃ」
「舐められてはいけない」
「厳しくしないと」
こんな思いから、クラス児童の挑発に真正面から応えてしまう。
そういう愚行を繰り返してしまってましたが、
今考えるとこれは本当に非効率。
結果的に教師も子どもも疲弊してしまう。
そんなやり方だったことに気が付きました。
実際の教室でのやり取り例
クラス児童:「先生の説明、わかりにくいんですけど〜」
担任:「真面目に聞いていれば分かります!」
その子:「えー、でも本当に分からないし〜」
担任:「そういう態度だから分からないんです!」
この瞬間、教室の他の子たちは何を見ているでしょうか?
子どもたちが感じ取る「主導権の変化」
「先生、あの子に振り回されてる...」
「なんかギスギスしてきた...」
「私も先生に反抗してみようかな...」
空気に敏感な子ほど、この微妙な変化を察知します。
そして、学級全体の雰囲気が悪化していく。
私は何年も、全く同じように、
この失敗を繰り返していたんですね、、、
主導権を握り続ける3ステップ
では、どうすれば主導権を握り続けられるのか?
私が以前担任していた
リュウヤくんとのやり取りを例に、
3ステップで解説します。
ステップ1:感情の「先読み」をする
挑発される前に、相手の心理を理解する
リュウヤくんが嫌味を言ってくる理由:
- 注目されたい(承認欲求)
- 自分がクラスの中心になりたい(主導権欲求?)
- 先生の反応を見たい(関係性を確認したい欲求)
この心理を事前に理解しておくことで、
挑発されても「お、来た来た」と
冷静に対応できるようになります。
実践のコツ:
朝の時間に「今日リュウヤくんはどんな調子かな?」と観察。
機嫌が悪そうな日は、事前に「今日は挑発があるかもな」と心の準備。
そもそも、「通常モードでも挑発してくる子」
という場合も、もちろんあります。
それはそれで、「まあ、コイツはこんなヤツだしな」
ぐらいの、けっこうラフな感じでもOKです。
大事なのは、こちらの「ペースを崩さない」というよりは
子どものペースで乱されないことかな、と思います。
ステップ2:「本当の要求」に応える
表面的な挑発ではなく、裏側の要求に注目する
【従来の対応】
リュウヤ:「先生の説明、わかりにくい〜」
担任:「真面目に聞いてください!」
【3ステップ対応】
リュウヤ:「先生の説明、わかりにくい〜」
担任:「そうか、リュウヤくんには伝わりにくかったんだね。どの部分?」
この対応の違いは何でしょうか?
従来の対応:
挑発(表面)に反応→感情的対立
新しい対応:
要求(本質)に反応→建設的対話
この違いですね。
実践のコツ:
・挑発的な言葉の裏にある「本当の気持ち」を探す習慣をつける。
・「この子は本当は何を求めているのかな?」と自問する。
ステップ3:「事前フォロー」まで設計する
叱る場合も、その後のフォローまで戦略的に考える
もちろん、時には毅然とした対応も必要です。
ただし、感情的に叱るのではなく「意図的」に叱る。
この「意図的」が、とっても大事なんですね。
戦略的な叱り方の設計:
- なぜ叱るのか(目的の明確化)
- どう叱るのか(方法の設計)
- 叱った後どうするか(フォローの計画)
例:リュウヤくんが授業を妨害した場合
- 目的:他の子の学習権を守る+リュウヤくんの成長を促す
- 方法:クラス全体ではなく、個別に話す
- フォロー:翌日、良い行動があったときに必ず声をかける
実践のコツ:
叱る前に3秒間、心の中で「目的→方法→フォロー」を確認。
感情的になりそうな時ほど、この習慣が主導権を守ってくれます。
3ステップを意識し始めてからの変化
完全に変わったわけではありませんが、
私自身が感情的になる回数は確実に減りました。
何より「主導権を意識する」ことで、
冷静に対応できる場面が増えてきたんです。
子どもとの関係も、以前のような対立的な雰囲気から、
少しずつ建設的な方向に向かっているのを感じています。
経験年数が少なくても変化を起こせる力がある
経験年数が少なくても、この3ステップは
必ず実践できます。
大切なのは「完璧にやろう」とせず、
「今日はステップ1だけ意識してみよう」から始めること。
主導権を握る教師が手に入れる未来
この3ステップを身につけると:
✅️子どもの挑発に動じない余裕ができる
✅️学級全体の雰囲気が安定する
✅️保護者からの信頼も自然と高まる
✅️何より、教師としての自信を取り戻せる
本当の「負けない」教師とは
子どもと戦って勝つ教師ではありません。
子どもと共に成長していける教師です。
明日から、ぜひ試してみてください。
実践上の注意点・私が失敗した体験から
私も、とうぜん最初は上手くいきませんでした。
例えばステップ2。
「本当の要求に応える」つもりが、 つい
「どの部分が分からないの?教えてあげる」と 先回りしすぎて、
逆に依存関係を作ってしまったこともあります。
大切なのは「応える」ことと
「甘やかす」ことの違いを意識すること、ですかね。
子どもの成長を促す方向で応えることが重要です。
個別の状況について
この3ステップは基本的な考え方ですが、
実際の教室では、お子さん一人ひとりの特性や
これまでの関係性によって、アプローチを変える必要があります。
「ステップ2で本当の要求に応えるって言うけど…」
「うちのクラスの○○くんの場合、具体的にはどんな?」
「感情の先読みをしたいけど、 子どもの気持ちが全然読めない...」
そんな個別の状況については、 一人ひとりのお子さんを見ないと何とも言えないのが、正直なところです。
概要はお伝えできますが、 その子に最適な対応は、その子を知らなければ分からない。
だからこそ、現場で試行錯誤することが 一番の成長になるのです。
PS.
実は私も、経験の浅い頃は毎日のように感情的になっていました。
特に思い出すのは、ある男の子(仮にリュウヤくんとします)との やり取りで完全に感情的になってしまった日のこと。
授業中に「先生の話、つまんない」と言われて、 思わず「つまらないなら聞かなくていいです!」と 大きな声で言い返してしまいました。
その瞬間、教室がシーンと静まり返って... 他の子たちの困惑した表情を見た時、「あ、やってしまった」と後悔の気持ちでいっぱいに。
家に帰ってからも、そのことが頭から離れず、「私、教師に向いてないのかな...」と 本気で悩んだ夜でした。
でも今思えば、その失敗があったからこそ、「戦わない」ことの大切さに気づけたんですね。
経験年数が少ない先生が今感じている葛藤や悩みは、 きっと素晴らしい教師になるための 大切なプロセスなのだと思います。
一人で抱え込まず、 必要な時は遠慮なく相談してくださいね^^
では、また次の記事でお会いしましょう!^^