“ダメだった自分”を超えたいあなたへ

このブログの全ては、自分を責めていた“あの頃の私”に向けて書いています。

教師を辞めたいと思った私が、先輩への相談をやめた瞬間に見つけた解決法

職員室で愚痴を言い合っていた頃と、今の私の心境の変化

「今日も疲れた...」

私には、放課後の職員室で、同僚と顔を見合わせながらこんな言葉を交わしていた頃がありました。

特に若手の頃は、毎日のように誰かが愚痴をこぼし、それに共感し合うことが、なんとなく職員室での「お約束」みたいになっていたんです。

 

「あの子、今日も授業中に立ち歩いちゃって...」

「保護者からまたクレームが来て...」

「どうして言うことを聞いてくれないんでしょうね...」

 

今振り返ると、あの頃の私たちは確かに「共感」し合っていました。

でも同時に、何か虚しさを感じていたんですよね。

 

あの頃の職員室風景

教師になって数年経った頃の話です。

放課後になると、自然と職員室の一角に数人の先生が集まって、その日あった「困ったこと」を話し合う時間がありました。

 

私もその輪の中にいて、

「今日は○○君がこんなことをして大変だった」

「△△さんの保護者がああ言ってきて困った」

といった話を聞いたり、話したりしていました。

 

その時間は確かに心地よかったんです。

「みんな同じような悩みを抱えているんだな」

「自分だけじゃないんだ」

という安心感がありました。

 

同僚たちも「分かる分かる」「大変ですよね」と共感してくれる。

職員室での愚痴タイム。

 

でも、ある日ふと気づいたんです。

毎日同じような話をしているのに、

根本的な解決には向かっていない。

 

むしろ、愚痴を言うことで一時的にスッキリして、

「また明日頑張ろう」と思うものの、

翌日にはまた同じような問題が起きている。

 

そんな繰り返しでした。

 

心境が変わった瞬間

転機となったのは、とある先輩の一言。

 

いつものように「ユウト君がまた授業中に騒いで困った」という話をしていた時、その先輩がこう言ったんです。

 

「ユウトって、なんで騒ぐんだと思う?」

 

「え?」と思いました。

いつもなら「大変ですね」「困りますよね」という共感の言葉が返ってくるはずなのに、まさか「なんで?」と問いかけられるとは思わなかったからです。

 

「いや...授業がつまらないからですかね?」

と答えると、先輩は続けました。

 

「ユウト君の立場になって考えてみたことあるか?」

「アイツなりの理由があるかもしれんぞ」

 

その瞬間、私の中で何かが変わりました。

 

今まで私は

「ユウト君が悪い」

「どうして言うことを聞かないんだろう」

という視点でしか見ていなかった。

でも「ユウト君の立場」から考えたことは

一度もありませんでした。

これが、私にとっての大きな視点の転換でした。

 

建設的な思考への変化

それからの私は、職員室での会話が少しずつ変わっていきました。

同僚が「○○君が言うことを聞かなくて...」と話すと、

「○○君は普段どんなことに興味を示しますか?」

と聞くようにしました。

 

「△△さんの保護者が厳しくて...」という話には、

「△△さんのお家ではどんな風に過ごしているか、聞いたことありますか?」

みたいな感じで問いかけるようになったんですね。

 

最初は「何それ?」という顔をされることもありました。

でも不思議なことに、そうやって「なぜ?」「どうして?」を考えるようになると、職員室での会話も変わってきたんです。

 

愚痴ばかりだった時間が、

いつの間にか解決策を考える時間に変わっていた。

 

「そういえば○○君、算数は苦手だけど図工の時間はすごく集中してるな」

「△△さんのお母さん、実は家でも宿題のことですごく悩んでるらしいよ」

 

こんな風に、子どもたちや保護者の「背景」がうっすらと見えてくるようになったんですね。

そして何より、私自身の心境が軽くなったんです。

「困った子」が「事情のある子」に見えてくると、接し方も自然と変わってくる。

 

今の私の職員室での過ごし方

それからは、職員室での会話が

より有益な「情報交換の場」になりました。

 

同僚が困っていることを話してくれた時、

「それは大変ですね」で終わるのではなく、

 

「その子の良いところはどんなところですか?」

「その子が一番輝いている瞬間はいつですか?」

と聞くようになりました。

 

すると、話している同僚の表情も変わってくるんです。

 

最初は困った顔をしていたのに、だんだんと

「そうそう、実はこんないいところもあるんです」

と笑顔になっていく。

 

こうした建設的な対話の力を、

私は身をもって実感しています。

 

もちろん、愚痴を言いたい気持ちも分かります。

 

私だって、失敗すれば「今日は疲れた」と

未だに言ってしまう日もあるのが現実です。

 

でも、そこで止まらずに「なぜうまくいかなかったのか」「明日はどうしたらいいのか」を考えるようになりました。

一人で抱え込まずに、同僚と一緒に「どうしたらもっと良くなるか」を考える。私にとっての職員室は、そんな場所に変わったんですね^^

 

あなたも、きっと

もしかしたら、今この記事を読んでくださっているあなたも、職員室で愚痴を言い合う時間があるかもしれませんね。それは決して悪いことではないと思います。

共感し合うことで、心が軽くなることもあるでしょう。

でも、もし可能であれば、たまには「なぜ?」「どうして?」と考えてみてください。困った出来事の背景には、きっと何かの理由があるはずです。

その理由が見えてくると、解決策も見えてくる。そして何より、子どもたちへの見方が優しくなります。

「困った子」ではなく「困っている子」として見えてくる瞬間、あなたの教師としての世界も、きっと広がっていくはずです。

愚痴から始まった会話が、希望で終わる。

そんな職員室での時間を、一緒に作っていけたらいいですね^^

 

PS.
正直に言うと、この「視点を変える」ことは、最初はとても難しかったんです。特に疲れている時や、本当に困り果てている時は、つい「なんで私ばっかり...」と思ってしまうこともありました。

でも、少しずつでも「相手の立場」を考える癖をつけていくと、本当に教室の空気が変わってくるんですよね。

子どもたちとの関係も、保護者との関係も、そして同僚との関係も。そして実は、週末の飲みの席も、です笑

また次の記事でお会いしましょう!