“ダメだった自分”を超えたいあなたへ

このブログの全ては、自分を責めていた“あの頃の私”に向けて書いています。

『やんちゃ』は敵じゃない!「孤立させて戦う」が、学級を崩壊させる本当の理由

【よくある『やんちゃ対応』11の間違い】

Part⑥:やんちゃ君は、悪友をつくるのがうまいです。教師は、やんちゃ君と悪友を分断しましょう。「教師 VS やんちゃ集団」の構図にならないよう、逆に「教師 & クラス児童 VS やんちゃ」となるようにしていきましょう。

孤立させて"戦う"構図が教室を壊す

「ミチ先生のクラスは、また騒がしいですね...」

そう言いたげな、理職からの『無言の圧』で毎朝吐き気がする。

「うちの子が『先生が怖い』って言ってるんですが...」

保護者からの電話で、胃がキリキリ痛む。

 

「あのクラスっていつもうるさいよね」

職員室でのヒソヒソ声が聞こえた気がする。

 

毎日毎日、18時近くまで子どもから事情聴取。

19時には保護者対応。

明日の授業準備は20時過ぎが当たり前。

 

私はもう限界でした。

 

そんな私を見かねた「学年のカリスマ教師」が教えてくれた

『やんちゃな子に効く効果的な指導法』。

 

「あのグループは分断しなきゃダメだ」 

「特にアイツは、悪友とつるむ」 

「孤立させて対応するしかない」

 

藁にもすがる思いで、私はすぐにその方法を実践。

でも、内心。

強烈な違和感を感じていました。

 

(これ『教育』って言えるのか…?)

(もっと他に方法があるんじゃないの?)

(…てかぶっちゃけ…これって…)

『イジメ』じゃね…?

 

結論から言うと、私の対応は

『最悪の結果』になりました。

教室はより一層荒れ、子どもたちとの関係は完全に破綻。

孤立させられたケンタくんの目には、明らかな「恨み」が宿り、

私への信頼は完全に失われました。

 

挙げ句の果てに、保護者からは「先生のやり方はおかしい」と。

やんちゃな子を「孤立」させる指導法には、

教室を破綻させる恐ろしい落とし穴があります。

 

※ 同じ失敗を繰り返したくない方は、以下より具体的な解決策をお選びください

✅️若手教師が見落とす、やんちゃの本当の心理と信頼構築の第一歩

→ 1 〜 4年目の先生は絶対に読んでください

 

✅️中堅教師だけが知るべき、やんちゃグループを学級の推進力に変える秘訣

→ 5年目以上であれば、このあたりのコツが掴みやすいはず。

 

✅️やんちゃに舐められる男性教師と、一目置かれる男性教師の決定的な違い

→ 男性教師向けに特化

 

ただし、上記の具体的な対応策を実践する前に、

まずは「なぜ孤立させてはいけないのか」という根本的な理由を

しっかり理解しておく必要があります。

 

表面的な対応だけ真似しても、結果的に

私の二の舞いになってしまう。

 

私と同じ失敗をしないためにも、

本記事にはかなりの核心部分を書いています。

まずは以下より、その重要な理由について

詳しくお伝えしていきますね。

 

「悪友」って何?子どもの自然な群れを理解する

そもそも「悪友」って何でしょう?

 

子どもが作る仲間関係に、

本来「善」も「悪」もありません。

 

彼らはシンプルに
「一緒にいて落ち着くヤツ」だから

つるんでいる。

 

よく大人の世界で

「あなたの周りの人間5人の年収平均が、あなたの年収になる」

そういう話を聞いたことはありますか?

 

子どもの世界もこれと基本的には

同じなんですね。

 

本能的に、自分と似た者と集まりたがる。

それが人間です。

 

「社会的に」あるいは「倫理的に」。

良くない方向に進んでしまうのは、

 

その対極の良い方向」が示されていない

( or 分かっていない)か、

そこに向かうエネルギーが足りないだけ。

 

「悪友を作るのが上手」

「友達に悪い誘惑を行う」

こういう見方そのものが、

子どもの自然な関係性を否定しているのです。

 

孤立させる指導の本当の結末

「悪いことをしたやんちゃ君を孤立させて、学級の集団を教師側の味方につける」


表面上はこんな構図が成立するかもしれません。

 

やんちゃくんが「悪いことをしました...」と

シュンとなって、めでたしめでたし...

 

でも、その奥でやんちゃ君の心境に、

本当の変化=成長はあるのでしょうか?

絶対に「ない」です。

 

 

どれだけ上手くいったとしても、せいぜい

「今年度は、もう辞めておくか...」程度のもの。

 

担任が変われば、また元通り。

それが現実です。

 

これでは、その場しのぎの対応でしかなく、

物事の本質は何も変わっていません。

 

 

「孤立」という心理的暴力

「友達からの孤立」を武器に使う指導法。

これは実は、子どもへの深刻な心理的暴力といえます。

 

社会的排除は、痛みの脳回路を活性化させることが科学的に証明されています。

 

つまり「孤立」は、物理的な痛みと同じように脳に苦痛を与えるのです。

 

しかも悪いことに、この「孤立」を教師が意図的に作り出すとき、

児童は何を学ぶでしょうか?

 

「誰かをグループから排除することで問題を解決できる」

「力のある者が弱い者を孤立させて支配していい」

「みんなで一人を責めるのは、時に正しいこと」

 

...あれ?これって、

いじめの構造そのものじゃないですか?


「教師は教室の安全を守る必要がある!」

「だから、悪友とやんちゃは、健全なメンバーから除外して良いんだ!」

じゃないんですよ。

 

教師が無意識に「いじめの構造」を教室で再現し、

子どもたちに「いじめの正当化」を教えている...

 

本当に恐ろしい話です。

 

戦場ではなく、成長の場へ

教室を「戦場」と見なす時点で、教師は既に負けています。

 

子どもと「対峙」するのではなく「伴走」する。

「戦い」ではなく「成長の場」として教室を再構築する。

 

これが本当の教室ではないですか?

 

キレイゴトをいうつもりは有りません。

シンプルに「その方法では、問題を深刻化させてるだけ」

だと言ってるんです。

 

やんちゃなグループのエネルギーを

「敵」として潰すのではなく、

「推進力のあるエネルギー源」として活かす

 

この捉えだけで、見方は全く変わります。

 

これまでお伝えした「勝てる勝負だけ挑む」「弱点探し」と同様に、

「孤立」もまた子どもを追い詰めるだけで解決にはなりません。

むしろ問題を深刻化させるだけ。

※以下です。 ↓ 

www.teacher-trigger.com

 

 

繰り返しになりますが、

キレイゴトを言ってるのでは有りません。

 

これまでに何人ものやんちゃ児童と向き合ってきた

リアルな教室を知ってるからこその現実的な指摘なんです。

 

 

「みんな巻き込む」教室の力

では、孤立させずにやんちゃグループに対応するには?

 

まず、やんちゃ君への捉え方を変えてみます。

 

「問題児」ではなく「リーダー気質」と捉え直す。

あるいは、別の方向でエネルギーの方向性を変えるのです。

 

※リーダ気質への捉え直しは、以下に詳しめに書きました ↓ 

www.teacher-trigger.com

 

 

実践例を少し紹介します:

  1. 役割付与戦略:やんちゃリーダーに「特別な役割」を与える。学級の盛り上げ役、イベントの企画担当など、エネルギーの発散先を作る。

  2. 強みを活かす機会:やんちゃな子の多くは行動力、発想力、影響力に優れています。それを活かせる「正当な場」を教室内に設計する。

  3. グループの力をリフレーミング:「悪友グループ」ではなく「企画チーム」「サポートチーム」など、肯定的な枠組みでグループの存在を再定義する。


かならず、このようにしろ!というのでは有りません。

 

クラスの実態によって、さまざまにやり方を変えていく必要があります。

 

重要なのは、子どもたちの自然な関係性を尊重しながら、

その方向性を整えていくこと。

 

「孤立」という武器を手放した時、

初めて見える子どもの本当の姿があります。

 

対立からチームワークへ。

 

これが「孤立」に頼らない

「教室の力」です。

 

 

子どもを信じる勇気

「でも、本当にうまくいくの?」

 

確かに、そう思われるかもしれません。

 

「孤立させる」方が短期的には効果が見えるかもしれませんね。

 

でも、それはただの表面的な平和です。

 

子どもの可能性を潰さず、全員の成長を促す教室。

 

それは一朝一夕でできるものではありませんが、
確実に子どもたちの未来を変えます。

 

あなたの教室のやんちゃな子は敵じゃありません。

未来ある、可能性の塊たちです。

 

孤立という武器を手放した時、
初めて見える子どもの本当の姿があります。

 

明日の教室ではぜひ、戦いではなく成長を選ぶ勇気を。

 

孤立させる教師に、団結する教室は作れない。

 

次回について

次回は「時間厳守が先か、信頼構築が先か」というテーマにしようと思ってます。

なぜ「時間を守らせることに固執」しても、子どもには全く伝わらない。

時間に対する認識が甘いと、結局「時間を必死に守るだけ」の、苦しい教室になってしまう。そのあたりことを書ければと思います。

 

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PS.

私が小学生だった頃の話です。

私のクラスは荒れていました。

いま考えると崩壊寸前だったかもしれません。

担任は年配の先生で、翌年退職する予定でした。

クラスにはG君という男の子がいました。正直言って、先生の手には負えないタイプの子でした。でも、私は彼が好きでした。シンプルに「面白いやつ」だったんです。

G君が放つ一言一言が鋭くて面白くて、クラスのみんなを笑わせてくれました。少し女子をからかう発言も目立ちましたが(今思えば申し訳ないことをしたなと思います)、当時は本当にウケていました。

修学旅行はとくに良い思い出です。G君がいたから、クラスは笑いに包まれることが多かったんです。先生は、G君を注意しながらも、思わず一緒に笑うこともありました。

そして卒業式が近づいたときのこと。G君が「先生にありがとう言おうぜ」と言い出したんです。帰りの挨拶の時、みんなで一斉に「ありがとうなー!」と少しふざけた感じで言いました。すると先生は泣いていました。

繰り返します。やんちゃは、敵ではありません。

敵だと思わせるのは、教師の「なんとか押さえつけないと…」という視点です。子どもの可能性は潰してはいけないのです。

後日談ですが、成人式でG君と再会したとき、彼は「ラッパーを目指している」と言っていました。ラッパーらしい服装で参加していて、相変わらず目立っていました。有名になれたかは分かりませんが、彼ならきっとどこに行っても人気者でいると思います。

もし当時の先生が「孤立させて戦う」なんて方法を取っていたら?G君はラッパーを目指すような創造性や自己表現を持つ人間に育っていたでしょうか?クラスに笑いをもたらし、最後に全員で先生に感謝を伝えるような瞬間は生まれていたでしょうか?

私はこれまで何人もの「やんちゃ」と呼ばれる子どもたちと関わってきました。彼らを孤立させるのではなく、その個性を認め、方向づけることで、驚くほどの成長を遂げる姿を何度も目撃してきました。

だからこそ、自信を持って言えます。孤立は教育ではありません。本当の教育とは、すべての子どもの可能性を信じ、ともに成長する場を作ることなのです。

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