【よくある悩み】
子どもに嫌われるのが怖くて強く叱れません。身内でさえ怖くて叱れない性格で、このまま教師を続けられるのか不安です。
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こういう悩みを解決すための記事です。
「あんた、優しいからね(笑)」
「でも、いつも優しいだけじゃダメでしょ」
「子どもたち、ナメてますよ」
ベテラン先輩からのこの一言で、
胸が刺されたように痛くなる。
隣のクラスの担任は、厳しく叱るどころか
教室の入口に立っただけで
クラスはサッ…と静かになるのに
なぜ自分には同じことができないのか。
そして放課後、一人で散らかった教室を
掃き掃除しながら襲ってくる
後悔と自己嫌悪。
叱るのが怖い。
教師のくせに、叱れない自分。
「俺って、教師に向いていないのかも…」
そう悩んでいるのは、実は
あなただけではありませんよ。
叱れない本当の正体は『関係性が壊れる恐怖』
あなたが求めているのは
「叱り方のテクニック」ではないはず。
私は初任の頃、騒がしくなっていく教室を
私の力で静かにすることが
出来ませんでした。
何度注意しても、すぐに騒がしくなってしまう。
それなのに、隣のクラスのベテラン先生が
「2組。騒がしいけど、どうした?」と
ちょっと覗いてくれただけで
教室がサッと静かになった様子を見て
私のプライドはズタズタに壊れてしまいました。。。
叱れない真の理由—それは「叱った後の関係が壊れる恐怖」です。
「あの先生、マジでムリ…」と陰で言われる想像が止まらない。
保護者からのクレームで管理職に呼び出されるかも…
一度崩れた子どもとの信頼関係は、もう二度と取り戻せないのでは…?
この不安が、あなたの声を震わせ、言葉を飲み込ませているのです。
ベテランが持つのは経験ではなく"成長を見据える目"
周りの先生は「経験を積めば自然と叱れるようになる」と言うかもしれません。
でも、それは嘘です。
真に子どもを導ける教師が持っているのは、目の前の問題だけでなく「子どもの成長可能性」を見据える視点。
これは年数や経験ではなく、視点の問題。
あなたも今日から使える力なのです。
「成長可能性」を見せる叱り方
叱るとき、目の前の子どもだけを見るのではなく、その子の成長可能性を見せてみるのはおすすめです。
例えば、友だちを傷つける言葉を言った子に:
「その言葉が友だちをどれだけ傷つけたか、今は分からないかもしれない。でも君はもっと思いやりのある素敵な人になれる。だからこそ、今ここで立ち止まって考えてほしいんだ」
という感じ。
ポイントは3つ:
- 「あなたが悪い」ではなく「あなたの可能性を信じている」という視点
- 今の行動と将来の姿を繋げる言葉
- 「嫌われたくない」から「育てたい」への意識転換
明日から使える3ステップ
- 信頼基盤を築く:「どんなときも味方だよ」と日頃から伝え続ける
- 行動と人格を分ける:「あなた自身は大切、問題なのはその行動」と区別する
- 可能性を語る:「こんな素敵な力を持っているのに、もったいないよ」という視点
この3ステップを意識するだけで、叱ることへの恐怖は少しずつ和らいでいきます。
先生、あなたの「叱れない自分」は弱さではありません。
子どもの心を傷つけたくない優しさの証です。
その優しさに「子どもの可能性を信じる目」を加えれば、あなたは素晴らしい教師になれるはずです。
「叱り方」をより深く理解するためには、以下がおすすめです。
・叱らない教育に憧れる
・でも、どうしても叱ってしまう…
と自己嫌悪に陥ってる人にこそ、読んで欲しい記事です。
「叱らない教師」ではなく「成長を信じる教師」へ。
明日の教室で、ひとつでも試してみませんか?
子どもたちの目の輝きが変わるかもしれません。
PS:
初任2年目の冬、私は自分の教師としての適性を疑いました。
給食の時間、何度も注意していた男子を思わず大声で叱ってしまった日。その子が私を見る目が一気に冷たくなり、「終わった…」と絶望しました。その夜、布団に入っても涙が止まらず、翌日の教室に行く勇気が出ませんでした。
でも、意を決して翌朝、その子に「昨日は感情的になってごめん。でもあなたが大切だから言ったんだよ」と正直に伝えると…その子は驚くほど素直に「わかった。俺も悪かった」と言ってくれたんです。
そのとき気づいたのは、「子どもは大人が思うより遥かに強く、関係性は思った以上に回復力がある」ということ。
若手だからこそ、素直に謝れる。弱さも見せられる。それが逆に子どもとの距離を縮める武器になる。
教師は完璧である必要はないんです。迷い、悩み、時には涙を見せながら、子どもと一緒に成長していく存在でいい。
あなたが今感じている不安や葛藤こそが、本物の教師への第一歩です。その繊細さが、いつか子どもたちの人生を変える力になる。
私たちのような「叱るのが怖い先生」は、子どもたちと真剣に向き合っている証拠だと思うのです。